交通誘導員への転職を考えている方の不安の一つに「きついって聞くけど実際どうなんだろう」というのがあると思います。
私もそんな不安を抱えながら交通誘導員になりました。結論は、現場次第で雲泥の差がある、ということです。
とても楽で午前中に帰れる日もあれば、大変な忙しい現場で雨の中1時間の残業をする日もありました。
交通誘導員に対する一般的な認識として「きつい」という意見がよく挙げられますが、その背景には公共の安全を守り、交通の流れをスムーズにするという大きな責任があります。
社会は様々な職業によって支えられていますが、普段多くの方に意識されていない仕事もありますよね。
その中でも交通誘導員の役割は、実は極めて重要なんですよ。
交通誘導員という職業は工事現場や建築現場、花火大会などのイベントで交通の流れを管理し、歩行者や車両の安全を確保することで社会に貢献します。
この記事では、飲食店員から交通誘導員に転職した私が実体験を交えて、交通誘導員の基本的な役割から直面する課題、そして「きつい」の先にあるやりがいについてお話していきます。
交通誘導員の仕事に興味がある方は、この記事を読むとイメージが具体的になると思いますよ♪
交通誘導員はきついけど楽な現場も実はあります!
飲食業からの転職を考える際、交通誘導員という職業が選択肢に上がることがあります。
私の場合は特にスキルも学歴も無いので、選択肢が広くなかったんですね。
その中で交通誘導員になることを決めた理由の一つを正直に言うと「現場次第では楽で、早く帰れる日もある」ということでした。
この仕事は、工事現場やイベントでの交通の流れを管理し、歩行者や車両の安全を確保する役割を担います。
一見シンプルに思えるこの仕事ですが、「交通誘導員はきつい」という意見が事実あるように、多くの課題が存在します。
工事一つにも大きなお金が動いており、その工事がいかに円滑に進むか、であったり自分や周囲の人の命に関わる場面もある仕事です。
きついからこそのご褒美、というわけではありませんがたまに早く帰れたり、楽な現場があるから誘導員の体力やメンタルのバランスが取れるんですよ。
まずは、交通誘導員の基本的な役割の確認と、楽な現場の一例を紹介しますね。
交通誘導員の基本の役割
交通誘導の主な目的は、安全とスムーズな交通の流れを確保することです。
これは、特に建設現場や大規模イベントなど、一時的に交通パターンが変更される場所で重要となります。
交通誘導員は現場に即した対応を求められ、事故や混乱を防ぐための緊急時の判断能力が必要とされます。
たとえば、交通誘導員は道路工事で一本の車線が使えなくなるときに、信号機のかわりとなる仕事をすることもあります。
このとき、誘導員は一時停止の指示を出したり、特定の方向への車両の流れを制御したりする必要がありますよね。
また、工事現場では歩行者を安全なルートに案内したり、工事車両の出入りをスムーズに行うための誘導を行います。
役割として大切なのは、機械的な誘導をするだけじゃなくて一時停止のお願いや、近隣住民への工事の説明などを心を込めて伝えること。
警察からの指示で交通誘導員を置く必要があるとは言え、ただ一時停止するだけ、説明するだけなら看板だけ立てておけばよいのです。
ではなぜ誘導員が必要なのか?工事現場と近隣住民との心理的な交通もスムーズにする役割があるからなのです。
楽な現場の一例
楽な現場とはなにか?
前提として、先ほども書いたように警察からの指示があるから誘導員を置いているのです。
これは、警察から道路使用許可というのを工事現場がもらうときに、誘導員を◯人配置してください。と指示されるからなんですね。
その中には、誘導員が必要ないのではないか、というくらい静かな住宅街などがあるんです。
そういった現場だと、最低限近隣住民さんからの質問への対応と、最初と最後の工事車両の出入りくらいしか仕事がないときもあります。
他には、コンクリートの打設や建材の搬入、足場工事などの交通誘導の際は早く終わる傾向にあります。
忙しい現場だとしても工事自体の時間が比較的短く、イレギュラーがなければ半日や、場合によっては1~3時間で工事が終了することもあるんですね。
そうすると担当の業者さんに「警備員さんもう帰っていいよ!」と言って頂けるので、会社に終了報告をして帰宅します。
するとプライベートの時間を増やしやすいというわけです。ブラックな飲食店で働いていたときには考えられなかったような勤務時間でした。
きつい仕事もある反面、こういったメリットもあることを知っておいてくださいね♪
交通誘導員がきついのはトイレが原因!その他の理由や対処法解説
ここからは具体的に「交通誘導員はきつい」と言われている理由を深掘りして、その対処法まで解説していきます。
歩行者や車両の誘導は集中力と責任感を要求されるので神経を使うんですね。そのため「きつい」と感じることが多いです。
よく言われている「夏や冬が外仕事だからきつい」「トイレにすぐ行けないからきつい」というものがありますが、正直どんな仕事でもそういうシーンはありますよね。
ではなぜそういった声が大きく聞こえるのかというと、この業界は年配の方が多く働いているからです。
ですがトイレに関しては、勤務中1回も休憩に行けないなんてことはないので、20代~40代くらいの男性なら特にデメリットに感じることは無いと思いますよ。
仕事は肉体的、精神的な課題は少なからずありますが、公共の安全を守るという重要な社会的役割を果たしています。
その環境下、責任がある中での長時間の立ち仕事、天候の影響、トイレの不足など、交通誘導員が日常的に経験する困難は身体的および精神的なストレスの原因となります。
転職する前にそのポイントを抑えて、対処法も予習しておきましょう!
特にきついと言われているポイントは以下の5点です。
- トイレにすぐ行けない
- 炎天下や寒冷な天候、雨天時のキツさ
- クレームの対応
- 担当する工事業者の当たり外れ
これらの具体的なイメージと、それに対する対処法を詳細に説明します。
トイレにすぐ行けない
水道やガスなどの道路工事、建築・建設現場など、基本的にはどんな現場でもトイレは近くにありません。
現場の近くにコンビニやスーパーが一つしか無いときがきついです。一日に何度も同じコンビニにトイレを借りに行くのが、気まずいです。
建築現場は、工事段階によっては現場内に仮設トイレが置いてあるので許可をもらって使うことができますね。
しかし交通誘導の仕事は道路工事の現場が多いです。工事業者さんが仮説のトイレを持ってきて、貸してくれたらとてもラッキーです。意外と無い業者さんも多いんですよ。
トイレに関しては対処法があまりないのも事実。
交通誘導員は現場に行く前に、コンビニやスーパーなどトイレを貸してくれそうな施設が近くにあるか?地図や、現場に付く前にその足で確認しておくことが望ましいです。
私はまだ経験ありませんが、中には紙おむつを持参する誘導員さんもいるみたいです。
恥ずかしいと思うかも知れませんが、紙おむつなんて言わなければ分からないし、立ちションしてクレームになるくらいなら余程マシでしょう。
トイレの場所を徒歩圏内でいくつか事前に把握しておくと自分もスムーズに行けますし、工事業者さんや、同じチームの誘導員にも教えられるので感謝されますよ♪
炎天下や寒冷な天候、雨天時のキツさ
交通誘導員の仕事は屋外での勤務です。そのため、炎天下や寒冷な天候の下での労働が基本なので、それが一番の「きつい」理由と言えるでしょう。
真夏、熱中症が多発しているというニュースを目にしながら長時間の立ち仕事。通行止めで、文字通り、立っているだけの仕事でも夏場はきついです。
会社としては、特に高齢の誘導員も多く、命に関わること。
今では多くの警備会社が誘導員に、ファンの付いたベスト(空調服といいます)などを配布していますよ。
それでも当然暑いので、各々が熱中症予防の対策をするしかありません。
水分補給を絶やさずに、現場内で適度に休憩回しをする必要があります。
具体的な対策方法としては以下の通り。
- 凍らせたペットボトルの持参、購入
- 冷感シートの持参
- 塩分タブレットの持参
- うちわや扇子の持参
- 可能な範囲でできるだけ日陰で作業する
- 前日の十分な睡眠や家で冷房に頼りすぎないなどの生活習慣
しかし対策しても、熱中症はなる時はなります。少しでも危ないと感じたら、無理をせずにすぐ会社に連絡を入れましょうね。
そして冬場、1~2月が特に大変です。冬も会社から、専用のコートが防寒着として配布されています。
冬のキツさは、朝イチの寒さと夕方日が暮れるのが早いところ。
日が出ている暖かい時間が限りなく少ないので、カイロや温かい飲み物の計画的な利用が鍵なんです。
そして対策をしても、その対策で荷物が重たくなるのも冬の嫌なところだと感じますね。
冬場の寒さ対策は以下の通り。
- 水筒で温かい飲み物の持参
- ヒートテックやカイロの防寒グッズの利用
- ウルトラライトダウンなどを制服の下に着込む
- ネックウォーマーや手袋、長い靴下で”3つの首”を冷やさない
- なるべく動いて血流を良くする
荷物が重たくても風邪を引かないようにしっかり対策しましょうね♪
最後に雨天時についてお話しておきます。雨天でも中止になったり、ならなかったりします。
ちなみに中止の時は基本当日の朝、会社から連絡が入るところがほとんどです。
中止になってしまうと日給制なので、その日の給料が出ないのが困りますよね。中止にならなくても雨の中やるのは視界も悪くて、冬なら寒さ倍増でかなりきついです。
出来ることは少ないですが対策は以下の通り。
- 雨天中止の連絡が入った段階で有給扱いにできるか聞いてみる
- かっぱや大きいビニール袋を多めに持っていく
- 安全靴の長靴を履いていく
現場仕事はそのときその場にあるもので対処するのが基本なので、こういった個人単位の対策などを事前準備しておくことが重要です。
雨の中かっぱを忘れたなんて恥ずかしいことはしないように、前の日にしっかり準備しておきましょうね♪
クレームの対応
工事現場で受けるクレームというのは、店舗などの接客対応とは大きく異なります。
当然のことですが、クレームをいれられる方の多くは近隣住民さん。つまりお客様ではありません。
自分に直接関係ないのに長いこと近所で工事をやっていたら、その騒音にまいってクレームの1つや2つ言いたくなるものです。
もちろん公共工事なら「じゃあ、あなたの家の水道やガスはどこから来ているのか」とか、建築なら「あなたの家はどうやって建てたんですか」言い返したくなる気持ちもわかりますよ。
工事をしているのも、工事することに決めたのも、交通誘導員では無いのであまりにもクレームを直接言われたらきついと感じることもあるでしょう。
ですが、そんな心の声は心のなかにとどめてくださいね!
わざわざ不愉快になっている人を更に不愉快にさせて良いことは一つもありません。
交通誘導員は現場の顔、長期的に工事がスムーズに行くようにする責任と義務があるのです。
工事現場と近隣住民さんの心理的な交通をスムーズになるよう誘導するのも、重要な仕事と言えます。
対策としては、自分一人でも落ち度の内容に勤務時間は集中して臨む、近隣さんへの声掛けを主体的に行うことです。
先に「ご迷惑おかけして申し訳ございません!ご協力いつもありがとうございます!」と言われて、嫌な気分になる人は少ないですよ。
しかし私もそうですが、接客業経験のある人であれば、あまり苦に感じないと思います。
なにか言われたら、誠心誠意相手の話を聞く態度を見せて、満足するまで誠心誠意謝ること。
こちらがよほど悪いことをしていなければそこまで怒ってくる人はいませんよ。
それでも収まらないなら会社に相談しましょうね。
担当する工事業者の当たり外れ
先にことわっておきますが、当たり外れはあくまで個人の主観の問題です!
そして交通誘導員も、工事業者から今日の誘導員さんは当たりだな、外れだな、と思われることもあるということは覚えておいてください。
しかし本当にごく一握りですが、理不尽に怒鳴ったりしてくる業者も中にはいます。
もちろん自分が悪いこともあるので、自分を客観視する必要はありますが…あまりにも酷いと感じたら会社に相談しましょう。
会社が長い付き合いをしている業者であれば原因がわかって対策を打てるかも知れませんし、会社の判断次第では同じ業者を担当しないようにしてくれます。
もしそれが新規の業者で、他の誘導員からも同じような声が上がるのなら会社同士で話し合いをして解決してくれることもありますよ!
私の場合は、その場で対話することで双方の誤解を解き、その場での解決を試みます。その方が早く、その日の仕事がスムーズになりますからね。
ここまで様々な「きつい」理由と解決策を上げてきました。対処するには現場の仕事を理解して、適切な準備が不可欠です。
基本は現場内で解決することを心がけましょう。工夫して、現場で話し合って、それでも解決しない時は会社に相談しましょうね。
身体的、精神的な負担は、それを負担だと認識して対策するのが一番ですよ。
交通誘導員がきついのは現場次第!試される適応力
まず、この交通誘導員の仕事で培うことができるスキルには、緊急時の対応能力、チームワーク、公衆とのコミュニケーション能力、そして総合的な人間力などがあります。
培っていくと同時に、毎日毎瞬、試されます。そしてこれらのスキルは、多くの職場で高く評価される能力でもありますよね。
そして、こういった能力を前の業種で培ってきた人にとっては「強くてニューゲーム」とも言えます。
比較対象が年配の方や、ぶっちゃけると意外とテキパキ動かない若い人が多い傾向にあるからなんですね。
あとはこの業種で必要な知識や基本的なことを覚えるだけで、半年もしないうちに活躍できる人材になれるでしょう。
自分が知っている限りでも、元々飲食店や美容師などのサービス業をやっていた人は対人の力が格段に高いです。
次に、交通誘導員が依頼されて必要とされている内容は”交通の安全と円滑な工事のサポート”なんですよ。
業者さんも近隣住民さんも、誘導員自身も、みんなが安全に過ごせる環境作りをする責任があるんです。
そしてその現場は、日替わり。初めて行く場所から、意外と近所で利用していた道路まで様々。
そのためその場での適応力、臨機応変に対応できるかが求められる。だから「きつい」と言われるんですね。
工事現場での車両や歩行者の安全な誘導、イベント時の交通整理、または現場でのイレギュラーへの緊急対応など様々な仕事があります。
そして仕事が始まれば、業者も近隣住民さんもみな、交通誘導員をプロとして見ているんですね。
仕事が「きつい」のは当然ですよね。自分がどんなキツさになら耐えられる、受け入れられるのかが重要です。
研修で基礎を学び、先輩から現場のことを教わり、その後はプロとしての立ち居振る舞いと適応力が重要なんですよ。
これらの業務を通じて「きつい」を乗り越え、交通誘導員は日々、公共の安全と秩序を守る役割を果たしています。
交通誘導員はきついけどやりがいや得られるものがある!
ここからは交通誘導員としての特有のやりがいや、得られるものについて深く掘り下げます。
交通誘導員の仕事は、単に「きつい」という以上のものを提供します。
ここまできつい理由を上げてきましたが、それを乗り越えた先のやりがいや楽しさももちろんあるんですよ!
交通誘導員は、対象のお客様となる業者さんがお金を払って依頼されて配置されるんです。
そこに責任を持って、何事もなく工事が終了することを目指すのが交通誘導員の仕事。
何かを作るわけでは無いし、結果何も変わらない(それが求められている仕事)。その独特の達成感と、稀に早く終る日が交通誘導員の醍醐味なんですよ!
「交通誘導員はきつい」という認識を超えて、この職業が持つ社会的な価値、個人の喜びを理解することが重要です。
そして、もう一つ得られるもの、若いあなたが意識的に得るべきものは人とのつながりです。
私自身、交通誘導員でかけがえのないつながりが出来るとは思ってもいませんでした。
世代を越えた友人とも言える、大先輩との出会いがありました。
飲食店時代ですら、休日にスタッフと会うこともしなかった私ですが、今では何でも話せて休日にもたまに会うくらい良好な人間関係ができたんです。
その方がとても良い人なので、一緒にペアを組めるといつも仕事もしやすくて、可愛がってもらっていて本当に感謝しています。
きっとこの記事を読んでいるあなたにも、そんなステキな出会いがあると思います。
人とのつながりを大切にするのに理由はいりませんが、もう一つの理由を挙げておきます。
それは交通誘導員としてキャリア形成を考えているなら、業者さんとのつながりを大切にしておきましょう。
現場で顔を売って、信頼関係を築いておくことが大切です。長くやるなら現場の仕事もやりやすくなりますし、将来警備業務で独立を考えるなら仕事をいただけるようになるかも知れません。
この仕事は、確かに「きつい」側面を持ちますが、それを乗り越えることで得られる社会への貢献感と個人的な成長の機会は計り知れません。
他業種から転職を考える人にお伝えしたいことは、交通誘導員の仕事は新たな視野の拡大と、新たなキャリア形成の可能性を秘めているんだということです。
まとめ
- 屋外での長時間勤務は極端な天候条件下での身体的ストレスが大きい
- 現場作業ではトイレの利用が不便でこれが精神的なストレスにつながることもある
- 近隣住民からのクレーム対応は精神的な負担が大きく対人スキルが試される
- 良好な関係を築けるかどうかが勤務の快適さに大きく影響する
- 仕事のキツさを超えたところに社会への大きな貢献と個人的な成長の機会がある
交通誘導員への転職は、多くの人にとって身体的および精神的な課題が伴う仕事として認識されがちです。
極端な天候下での長時間の立ち仕事、トイレの利用の不便さ、近隣住民からのクレーム対応、そして担当する工事業者との関係性は、この職業のきついとされる側面を形成しています。
しかし、これらの「きつい」を乗り越えた先には、社会的な価値と個人の成長の大きな機会が待っています。
交通誘導員は公共の安全を守り、交通の流れをスムーズにすることで社会に貢献する重要な役割を果たしているんです。
この仕事を通じて、緊急時の対応能力、チームワーク、公衆とのコミュニケーション能力など、他の職場でも高く評価されるスキルを磨くことができます。
さらに、世代を超えたつながりや、業界内での信頼関係の構築など、人との深いつながりを築くことも可能です。
確かに交通誘導員の仕事はきつい面がありますが、それを乗り越えることで得られるものは計り知れません。
交通誘導員でも自分の、仕事への向き合い方次第で自己成長も出来るのです。
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